この記事は50代の男性に書いていただきました。10か月ほどで17キロ痩せたのは「最後のダイエット」という本との出会いとプロテインです。
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ダイエットなんてかっこ悪くてできない
53歳、サラリーマンです。昨年末、妻と子供たちが実家に帰っている間、二匹の猫の世話のため、ひとり東京に残り、ゴロゴロと自由を満喫。好きなものを食べ、好きなことをして、好きな時間に寝る最高な年末を過ごしていました。
お酒を呑みまくり、焼肉、ラーメン、寿司、と暴飲暴食の限りを尽くして迎えた元旦の朝、ふと思いついて、体重計に乗ってみると、衝撃の数字を目にしました。97キロ!0.1トンまでカウントダウンなのです。高校時代ラグビーをしていてガタイはいいけれど、現役時代だって175センチ90キロでした。お腹はプヨプヨだけど、最近も同じく90キロ前後はキープしていたはずなのに…。
半世紀の人生で100キロの大台はありませんでした。これは、やばい。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの病気が脳裏をよぎり、このままじゃ死んでしまうとさすがに焦りました。しかし私にとってダイエットは「カッコ悪いこと」なのです。「家族のために健康に気をつけてさ、長生きしなきゃ」って答えるのはなぜか自分らしくないと悩んだ挙句、「男が痩せる理由は一つ。女にモテるためだ」と自分に言い聞かせ、人生初のダイエット生活を始めました。
1日1食主義、まずは挫折からスタート
まずは家族が帰ってくる1月4日まで完全絶食しようと思い立ちました。絶食すると頭がスッキリ冴えてくると聞いたことがあったのです。しかし初日から挫けてしまいました。
なんで元旦からこんな腹ペコを我慢しなきゃいけないんだと、夜中にお腹が空きすぎて、悲しくなり、冷蔵庫にあった6本入りソーセージ2袋を歯で噛みちぎり、12本をあっという間に胃袋に叩き込んでしまったのです。なんて意志が弱いんだろうと反省しながらも、その夜はお腹が満たされて朝まで熟睡しました。
1月2日朝、96キロ。それでも1キロは減りました。次に思いついたのは1日1食主義ダイエットです。これなら飢えたりはしないし、1食は好きなものが食べられます。これはうまくいきました。友人からの誘いを断り、どうにか家族が帰ってくる日までに、あっという間に95キロになって、ダイエットに成功したのです。
しかし、すぐに1日1食主義は挫折することに…。家族との食事の時間に自分だけ食べないというのは堪え難い苦しみでした。結局、「パパ、そんな無理なダイエットしたら体に悪いよ」という妻の一言で、このダイエットは終わりになりました。
良書との出会いでスタート地点に立つ
数日後、私が手にしたには最後のダイエット [ 石川善樹 ]という本です。気を利かせて妻がアマゾンで注文をしてくれたらしいのです。なんでも新進気鋭の若い予防医学博士が書いた科学的なダイエット本だとか。しかたない、読んでやるか、と斜に構えながらも、面白くて一気に読んでしまいました。
なぜダイエットが嫌いなのか。それは同じものをひたすら食べたり、よくわからないサプリや体操をしたりと、ダイエットは宗教に近い気がして、自分には抵抗があったのです。信じるものは救われるならいいのですが、たいていは一時的に救われてもすぐにリバウンドして元どおりになり、また新しいダイエットに挑戦しなければなりません。
ダイエットはとても良いビジネスモデルであり、怪しい商売の温床なのです。「最後のダイエット」はタイトルの通り、この永遠に続く馬鹿らしいダイエット地獄を最後にしようというものです。
内容はとてもシンプルで私のようなダイエット嫌いにも共感できる本でした。ダイエッターなら誰でも知っている「太るのは消費カロリーより摂取カロリーが多いからで、歳をとって太るのは基礎代謝が減るから」といったことを実にわかりやすく説明してあります。とりあえずこの本を信じて、ダイエットをしようと心に決めました。
ダイエットには減量期と維持期があり、まず減量するためには、日常生活の中に何かしら消費カロリーを増やす変化を取り入れて、それを習慣化すれば良いとのこと。例えば、いつも通勤途中に遠回りして家に帰るとかエスカレーターを使わず階段を使うなど小さなことで良いと書いてありました。とはいえ、すぐに結果が欲しいので、スイミングを始めることにしました。学生の頃から泳ぎには自信があったからです。
スポーツジムは高いので、1回350円の区民プールへ行くことにしました。夜7時ぐらいに行くと、泳いでいるのはわずか2〜3名。1月下旬の寒さでは、水中ウォーキングをしている高齢者もほとんど来ていません。とりあえず10往復泳ぐと激しく息切れをして酸欠状態になりました。
続いて数名の高齢者の方々と水中ウォーキング。和やかに談笑しながら歩くお年寄りの背中をみながらゆっくりとついて行くと、なんだか三途の川を一緒に渡っているような気分でした(笑)
週3回、約1ヶ月通うと区民プールのスタッフや70代のお年寄りと仲良くなりました。元お寿司屋さんのおじいさんからは、漬物や煮物をいただき、スタッフの方々とは一緒に飲みに行ったり、ロックのライブに行く仲になりました。3日も私がプールに行かないとみんなが心配して連絡をくれます。こうなると通うのが楽しくなってくるものです。こうして3月の初めには89キロまで体重が落ちました。
停滞期の救世主、DHCプロテインダイエット
3月になると、会社の歓送迎会など様々な行事が重なり、なかなか思ったようにプールに通えなくなりました。しかもプールで泳いだ後のビールは格別にうまいし、食も進むのです。停滞期がやってきました。ちょっと気をぬくと90キロ台に戻ってしまうのです。
「1食だけ、代替食品を食べるDHCのプロテインダイエットはどう?」「〇〇ダイエット」が大嫌いな以前の自分ならば一蹴するような妻からのアドバイスに、藁をもすがるような気持ちで素直にきくことにしました。お店に買いに行くのは恥ずかしいのでネットでポチりました。
これは劇的な効果がありました。プールに行く日は、夜7時から9時まで1キロ泳いで、1キロ水中で歩き、帰宅後は、このプロテインダイエットを飲んでお風呂に入ってすぐ寝ました。すると、わずか1ヶ月で6キロの減量に成功。5月の連休には89キロが83キロになりました。あまりに急激に体重が落ちていくので怖くなり、この頃から月に2キロ以上は減らないように気をつけました。
DHCプロテインダイエットの問題点は、いつまでも夕食を抜いてこれを飲み続けるわけにはいかないということです。ココアやバナナなど様々な味があり、最初は美味しくいただくのですが、だんだんと飽きてきます。しかしやめるとリバウンドしそうです。
7月1日、体重79.5キロ。高校生の時以来、久しぶりに70キロ台になったのを機に、DHCプロテインダイエットを卒業することにしました。ここからは自力で体重をコントロールする維持期に突入したのです。
ついに継続期に突入。リバウンドしない生活習慣を作る
7ヶ月でプールに通ったのは100回以上。8月に入り、室内プールだけではなく、屋外プールにも足を運ぶようになりました。毎日体重計に乗り80キロを超えないよう気をつける日々、歯磨きと同じように、どうやら泳がないと気持ちが悪いと感じる「習慣化」がうまくいったようです。
洋服は有名な太ったお笑いタレントが宣伝する紳士服屋さんにいつもお世話になっていたのですが、ユニクロのLサイズが着れるようになりました。そこで思い切って、太っていた時の服は全て処分し、新しい服を新調することにしました。後戻りできない状況を作ったのです。
11月現在、体重は77キロをキープしています。年内にどうにか75キロまで体重を落とそうと思っています。さて、最初に目標とした「女にモテる」はどうなったかを報告しましょう。まず20キロの減量と引き換えに頭髪が薄くなってしまいました。塩素が効いたプールで泳ぎまくり、髪が弱ってしまったようです。そして見た目ですが、若い頃なら痩せたらかっこよくなりますが、シワが増えてグッと年をとったような気がします。
そして「大丈夫?ガンかなんかの病気?」、友人たちからは心配されています。そんな時はいつも「女にモテるために痩せたんだ」と吠えています。嘘ではありません。区民プールでは年上のお姉さんにモテモテですから(笑)
来年に向けて新しい目標もできました。それはシニアの水泳大会に出場することです。ただ泳ぐだけではなく自分の限界に挑戦しようと思います。今年は心身ともに健康で新年を迎えられそうです。結果として、やはり健康のためにダイエットしたようですね。
おまけ:会社の健康診断結果(2016年11月と2017年9月の比較)
体重94キロ→77キロ(17キロ減)
AST(GOT)34→17
ALT(GPT)65→15
総コレステロール217→163
中性脂肪169→72
HDL-C 40→47
LDL-C 151→104
尿酸 8.6→7.0
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